帝王学の書「貞観政要」をいまさら読むブログ

上司に勧められて貞観政要を読み、色々調べたこと、考えたことをまとめるブログ

『貞観政要』のアウトラインを知る5冊

 事業継承のお宝本『貞観政要』を知るために、駅前の書店で何冊かの解説本を見比べてきた。

 

  1. 帝王学貞観政要」の読み方』山本七平日経ビジネス人文庫
  2. 『指導者の帝王学 歴史に学ぶリーダーの条件』山本七平PHP研究所
  3. 『上に立つ者の度量』田口佳史(PHP研究所
  4. 『座右の書「貞観政要」中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」』出口治明Kadokawa
  5. 貞観政要』湯浅邦弘(角川ソフィア文庫 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典)

 

 1と2の著者、山本七平氏は『「空気」の研究』が有名な保守系の評論家で、70年代に幻の著者によるベストセラーとなった『日本人とユダヤ人イザヤ・ベンダサン(山本書店)は、現在ではほぼこの人の著作とされている。2は日本史上の英雄がどんな戦略を用いたかが中心で、『貞観政要』は人間知と位置付けられている。以前から興味のある著者なので、選んでみた。

 

 3の著者、田口佳史氏は東洋思想研究者で、中国古典を基盤としたリーダー指導により、多くの経営者と政治家を育ててきた人だという。この本は、思いがけず後継者に指名された「社長」が、先年退職された「先輩」を訪ね、『貞観政要』について教えを乞うという仕立てになっていて、分かりやすい。検索すると「10MTVオピニオン」という動画サイトで、貞観政要を解説しているコンテンツがあった。幸先がいい。

 

 4の著者、出口治明氏は日本生命を勤め上げた後にライフネット生命保険を開業。今は会長職について「還暦ベンチャー経営者」と呼ばれている。カバーに「あらゆる組織人が座右に置くべき古典の必読書です」というご本人の言葉がある一方、冒頭では「価値観の押し付けは嫌いだが、この本だけは後継者の岩瀬社長に『読め』と薦めた」とある。二人三脚で『貞観政要』の内容を実践してきたにちがいない。

 

 5は、阪大で中国古代思想史を教える教授が、原書を9つのテーマで再編集したもの。ビギナーズ・クラシックスのシリーズは古典への入り口として定評があるので選んでみた。これで仕込みはバッチリのはず!