帝王学の書「貞観政要」をいまさら読むブログ

上司に勧められて貞観政要を読み、色々調べたこと、考えたことをまとめるブログ

人材育成のポイント 「六正六邪」

「六正六邪(りくせいりくじゃ)」は、人間には表と裏があることを教える概念である。良い臣下は順に「聖臣」「良臣」「忠臣」「智臣」「貞臣」「直臣」、悪い臣下は「具臣」「諛臣」「奸臣」「讒臣」「賊臣」「亡国の臣」と呼ばれる。 物事の兆しがまだ表れ…

リーダーの条件 『貞観政要』に学ぶ「十思」

いよいよリーダーが心がけるべき「十思」である。これについては、田口レクチャーがビジネスマン目線で参考にしやすいように、まとめてくれている。長期政権のために組織のトップが気をつけなくてはならないポイントとして、田口氏の解釈が交えられた実践バ…

リーダーの条件 「九徳」から「十八不徳」を読む

「徳」とは「人望」のことだというのが、企業経営者の共通認識であるらしい。人徳がない人はリーダーになれないし、部下はリーダーに人徳を期待する。その定義として有名なのが、『貞観政要』にも『近思録』にも登場する「九徳」である。 寛にして栗(りつ)…

組織論としての『貞観政要』 3.「諫言」と「和」の本質

殊勝な思いを語る太宗に対して、人の形をした知恵のかたまりである「諌議太夫(現代語なら「諫言部長」というところか)」魏徴は、どう答えたか。 田口レクチャーによれば「古者、聖哲の主は、皆亦近く諸(これ)を身に取る」、出来のいいリーダーは何を見聞…

組織論としての『貞観政要』 2.君道第一

出口氏は「三鏡」の教えを、トップが意思決定するための心構えとして大切にしている。「銅の鏡」は自分の顔や姿を映して、元気で明るく、楽しそうかどうかを確認できる。「歴史の鏡」を覗けば、世の中の興亡盛衰を知ることができる。人を鏡とすれば、その人…

組織論としての『貞観政要』 1.時代背景と盤石の構え

『貞観政要』は帝王学と言われるだけに、「リーダー、いかにあるべきか」に飛びつきたくなるが、それ以前に「組織論」として読むべきだ、と田口氏は言う。 どうせならもっとカメラを引き、「世界最高のリーダー論」が生まれた「時代背景」まで理解してしまお…

「創業と守成」はどちらが難しいか

出口本のカバー見返しには[『貞観政要』とは]のサマリーがある。 ──中国史上、もっとも国内が治まった「貞観」(627〜649年)の時代に、ときの皇帝・太宗と臣下たちが行った政治の要諦(政要)がまとめられた書物。日本においては北条政子、徳川家康、明治…

『貞観政要』のアウトラインを知る5冊

事業継承のお宝本『貞観政要』を知るために、駅前の書店で何冊かの解説本を見比べてきた。 『帝王学 「貞観政要」の読み方』山本七平(日経ビジネス人文庫) 『指導者の帝王学 歴史に学ぶリーダーの条件』山本七平(PHP研究所) 『上に立つ者の度量』田口佳…

部下を持つ人の必読本『貞観政要』

老舗の不思議を考えていたら『貞観政要』を勧められた 長寿大国日本には老舗も多く、百年どころか千年企業の例もある。聖徳太子ゆかりだという金剛組が有名だが、そうだとすると四天王寺建立以来、1500年近い命脈を保っている。その一方、志や必要やらがあっ…